工務店を選ぶ基準-前編

新人プランナー大谷です。
入社して約1ヶ月が経ちました。まだまだ修行中です。

皆さん、「家を建てよう!」となった時に、どのような行動をとりますか?

情報雑誌を購入したり、モデルハウス見学、家を建てた知人に話を聞くなど様々な方法があるかと思います。どれも間違いではないと思います。


そこで、弊社の設計顧問のDEMU建築設計事務所 出村さんに聞いてみました!

「工務店を選ぶ基準」
※デザインは趣味趣向もあるので、ここではランニングコストに直結する温熱環境面について聞いてみました。


大谷:家を建てるにあたって、どのような事に注意して施工者を選んだ方が良いのでしょうか?


出村:そうですね。まずはベタですが断熱気密性能が適切に確保されているというのは最低限の条件ですね。


大谷:所謂、高断熱高気密というやつですね。宣伝文句でもよく見聞きしますね。


出村:そう。よく聞くフレーズですよね。でも、まともな高断熱高気密な住宅は少数派ですね。

なぜそのような事になるかと言うと、例えば断熱面で言えば国交省の次世代省エネ基準のレベルが無茶苦茶低いので、本当は高断熱じゃなくても、次世代省エネ基準以上であれば高断熱って言えてしまう、言ったもん勝ちの状態なんです。

ちなみに次世代省エネ基準ではUA値で基準を定めています。詳しい説明は省きますが、UA値は熱貫流率と言って熱の逃げやすさを表す数値ですので、数値が小さいほど高性能という事になります。


大谷:次世代省エネ基準とかUA値とか、急に難しくなりました・・・。


出村:次世代省エネ基準は国が定めた断熱の基準というだけです。たくさんある基準の中で、最もメジャーなものという認識で良いと思います。

UA値もあくまで断熱の指標の一つなので、数値が小さい方が高断熱なんだなという程度で良いと思います。


大谷:まともな高断熱って具体的にどの程度なんでしょうか?


具体的には、最低ラインとして0.45 W/㎡K程度でしょうか。ちなみに次世代省エネ基準(5地域)は:0.87W/㎡Kです。

これは、シミュレーションすれば、その家ごとの正確な数値がでます。今はシミュレーションソフトも充実してますので、必ず自分の家のシミュレーションをしてもらいましょう。断熱等の仕様が同じでもプランによって結構変わります。


大谷:随分基準と差がありますね。ホントにここまで必要なのですか?


出村:はい。僕が最低ラインと考えている0.45W/㎡Kですが、ここまでくると吹抜など大きな空間でも上下の温度差は殆どありませんし、壁温度も室温に近くなるので、体感温度も快適になります。また一般的な35~40坪程度の家ですと、プランにもよりますが、小出力(=安価)エアコン一台で家中、冷暖房できます。ここでいうエアコンは一般的な壁掛エアコンです。


大谷:えっ!壁掛エアコン一台でというのは凄いですね!


出村:はい。同業者に話しても「ホントかよ」というような反応になりますね。でもこれは計算で明確に分かる事なんですよね。

もちろん各部屋は間仕切壁や2階床等で分断されてるのが一般的なので、1階と2階で多少の温度差はありますが、各階1台ずつ設置しても2台です。

これは設備を最小化していこうという考えですが、断熱材などの基本性能部分はずっと有効ですが、家電などの設備は10年ちょっとで交換が必要になってきます。電気代はもちろんですが維持費を下げる(=生涯コストが下がる)という考え方です。


大谷:初回から衝撃的なお話ですが、まだ抑えておきたいポイントがありそうですね。


出村:まだあります。今回はここまでにして、次回気密や窓についてお話しましょう。


大谷:出村さん、ありがとうございました。皆さん、最後までお読みいただきありがとうございました。また、次回もよろしくお願いいたいします。

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